森のくまのブログ

気の身気のまま風まかせ

昔話を1つ

大学を一年余分に行くことになった学生は、新規オープンのお店でバイトする事になりました。
最初は、仕事ができることを隠して生活費を稼ぐためだけにバイトつもりだったのですが、社員の人に見抜かれて、いつしかメインで、仕事をするようになってしまいました。
彼の腕を見抜いた社員の目と腕に、彼は惚れ、いつしか師と仰ぐようになりましたが、新規オープンのお店によくある話で、会社のやり方が変わっていき、師は辞めることを余儀なくされ、彼は取り残されました。
師は最後まで彼に辞めることを勧めましたが、彼は師と作った味と売上を越すと言った会社のやり方をこの目で見たいと告げて、残ることにしました。
代わりに来た責任者は、まだ年の若い
(その店は当時フランチャイズ契約の最中でその大元会社の)
本部社員でした。
彼は年下の本部社員(後はチーフと呼びます)
の指示に素直に従い、新たなやり方を受け入れていきますが。
たの従業員から、反感をかい孤立していきます。師を無くした憤りと仲間から孤立してもなお、彼は、師を越えるといわしめた力を見るために協力していきます。
師が辞めた波紋は、当時の他の従業員を連鎖的に退職させ、苦しくあれど新たなやり方の支障となることなく、新しい従業員(バイト)が入るまで、彼は一人オーダーを回していきました。
また年月は流れ、新メニューの為に、魚屋を見つける事になりました。
チーフと知り合いの情報を頼りに市場に行くと、一人の青年に出会います。市場でもただ一人異彩を放つその青年に、彼は目を奪われます。
彼はチーフに
(あの青年は、他の人にはないオーラがありますね、あの人を紹介してもらえたらいいですね。)
とつぶやいた。
その数10分後、つぶやきは現実となった。
せりの終わり際に知り合いとあい、つれて来られたのは、その青年だった。この出会いは後の彼に大きく関わってくる。
彼はチーフと目を合わせ、頭を下げて取引を始める事となった。
時の流れは早く、本部との提携が解除されることになり、チーフは本部に戻ることになり、代わりを彼がする事になった。師の料理と売上を越すことのなかった本部のやり方と、レシピを彼は捨てることにしたのだが、何度となく試作されるソースと配合をかえるチーズ、師の味に近いもの、他の従業員が作れるレシピ。朝7時から仕事を始めて深夜4時まで、彼の迷走は1ヶ月にもおよんだ。

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